不思議体験

🌻運勢コンサルタント悠景 その2

私が二十歳過ぎた頃の話です。
母の仲良しさんが神戸に遊びに来た時、
待ち合わせの場所が分からないので、
駅前通りでタクシーに乗り込んだ時のことです。
乗るなり運転手さんが
「お嬢さん!何か不思議なこと多いでしょ!!」
「見えてるものがみんなと違うでしょ?」
いきなり何???
「運転手してるとタマぁ~に出会うんだよ。お嬢さんみたいな人に!!」
はぁ??なに???この会話・・・唖然とした私と母。
「あんたまだ自分の力に気づいていないね?いやぁ~~疑ってるでしょ!!」
「不便だなんて思わない方がいいよ。それ才能だからさぁ~~」
「きっと将来必ず役立つからさ。おじさんが保証するって!?」
初めての駅から乗ったタクシーのおじさんが!ですよ。

目的地へ運転しながらしきりに言うのです。
「いやぁ~~今日はいい日だ!いいことあるぞぉ~~」
運転手さんはご機嫌さんです。
目的地に着いたら
「お代はいらないよ。福福しい出会いだからね!」
それはダメでしょ・・・タクシーなんだから・・・乗ったんだから・・・
ええっ~~タダで乗ったの?イイの??
母と私はアタフタするばかりです。
「私たちはここへ初めてきたのでまたお目にかかれるとは思わないのですが・・・」
「いいんだよ!奇跡はそう起きるものじゃないからね!それでいいんだ!!」
「出会いの奇跡はそんなものです。言いたかったことが言えたので十分満足ですよ。」

最後に運転手さんが
「私と出会ったこの一瞬!忘れないでね。きっとだよ!」
何処のタクシー会社だったのか?
お名前もわかりません・・・
今でもあの時のタクシーは現実だったのか?
神様の運転するタクシーに乗り合わせたのか??

降りて気づけば目的地は乗った場所から歩ける程度の距離でした。
ということは・・・ほんの数分?の出来事です。
タクシー内での会話は、そんなに短い時間ではなかったような??

運転手さんの顔は全く覚えていません・・・思い出せません・・・
しかし運転手さんの言葉は何十年たっても覚えている私です。

🌻運勢コンサルタント悠景 その1

色々な相談を昔から持ち込まれる少女でした。
学生時代は友人の恋バナ相談。
ラブレターを書く手伝いをしたことも・・・
代理でラブレターを渡しに行かされてことも・・・
バレンタインで好きな子に渡せなかったチョコを代わりに貰ったことも・・・
おさがりではありますが!今でいう友チョコの走りだったような??

不思議な頼まれごとをする?フシギちゃん??だったように思います。
妙に勘が鋭く?人のホンネに気づく??ある意味不便な体験は多々あります。

ある時、近所のおじさんが
「今から出張なんだ・・・駅までおじさんを送ってくれない?」と。
おじさんはなんだかもう帰らない・・・これはお別れなの?
当たり前ではないのですが、違和感なくそう思いました。
手をつなぎながら最寄り駅までおじさんと歩きながら
めいっぱい楽しい話をしたように思います。
駅の改札で「おじさん!バイバァ~~イ!!」
おじさんは少し寂しそうな優しい笑顔で手を振り雑踏の中へ消えていきました。
やっぱり・・・おじさんはもう帰らない・・・そう思いながら家に帰りました。
忙しくしている大人たちにこの話をしたのですが
誰一人本気で取り合ってくれません。
「なんだかおじさんが変だったんだよ!帰ってこない気がするの!!」

それから数日後、おじさんの家の前に【忌】の印が貼ってありました。
優しいおじさんを駅まで見送ったこと、シワの有る大きな温かい手だったこと、
今でもふと思い出す光景です。